元気なんですけど・・・

朝、夕は結構肌寒い季節となってきました。
この時期くらいから来年の2-3月は風邪やインフルエンザの流行期になり、クリニックにも発熱、咳、のどの痛みなどで受診される方が多くいらっしゃいます。
ほとんどの人が「唾が飲み込みにくいほどノドが痛む」「夜が眠れないくらい咳がひどい」などの強い症状でぐったりとしながら来院されますが、なかには
元気なんだけど今朝から鼻水すこしだけでたので早めに治しておこうと思って。
とか「先週が症状のピークで家で寝て治そうしたけど、今週になってもたまにちょっとだけ咳が残るので止めてもらおうと思って。
とおっしゃる方がおられます。
 特に比較的小さなお子さんを持つお母さんがお子さんの鼻水を気にして「元気なんだけど鼻水を止めてください。」とおっしゃることがよくあります。

風邪は数百種類ある風邪の原因となるウイルスのどれかに感染しておこります。そしてどのウイルスに感染して起こっているのは調べられないので、そのウイルス自体を退治するお薬はないのが現状です。 では風邪薬は何をしてくれているのでしょうか? それはつまり「風邪の症状を一時ごましかしてくれるのと引き換えに治りを遅くしている。」のです!
発熱、咳、鼻水、痰、下痢、嘔吐などの症状は、風邪のウイルスを体から退治してしまおうという生体反応です。 したがってこれらの生体反応を弱める風邪薬は、治りを遅くしている可能性さえあります。少なくとも治りを早めたり、重症化を予防する効果はまったくありません。また通常は薬なしでも5日前後で症状のピークは超えて、自然に治る風邪に対して本来不要な薬を使って副作用がでるのは絶対に避けなければなりません。 多少の鼻水や咳は我慢するほうが安全です。特に小さなお子さんが少々鼻水や咳をしていても食事もとれて、元気なら薬は飲まないほうが絶対にいいのです。

ただし通常の風邪より強い症状だと思われる場合や、夜も眠れないような咳、つらい高熱などの場合は気管支炎や肺炎など風邪以外の病気である可能性もありますし、どうしても休めない仕事の前に不利益を承知で一時的に症状をごまかせる風邪薬を飲むメリットもでてきますのでそのような場合は医療機関を受診しましょう。

2015年11月4日(文)院長:荒牧陽

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