妊娠と糖尿病

近年、糖尿病状態の方の数はどんどん増えています。
もともと糖尿病を持っていた方が高齢になったり、加齢とともに膵臓のインスリン分泌力が低下し糖尿病がでてくる場合などのように高齢者の糖尿病も大きな問題ですが、逆に若くして糖尿病状態の方もまた増加しており、大きな問題となっています。

若い人で糖尿病がある場合、その後何十年と続く人生のなかで合併症が進行するという長期的な問題があるのはもちろんですが、女性の場合には妊娠と出産に関わる問題があります。

まず妊娠の時点ですでに血糖値が高い状態にあると、その程度に応じて赤ちゃんに先天奇形が発生する確率が飛躍的に増加することがわかっています。 
HbA1cという糖尿病のコントロール状態の指標がありますが、この値が9%以上の場合にはおよそ5人に1人の確率で何らかの奇形が発生するという報告もあります。 
特に妊娠初期、つまり赤ちゃんの体が形作られ始める時に最も母親の血糖の影響を受けやすいことが知られています。
つまり怖いのは自分の血糖が高いことを知らずに妊娠し、妊娠に気づくのも2か月、3か月経過してからということもあるため、知らない間に赤ちゃんに影響が生じている可能性が高いということです。

糖尿病の家族歴がある方や、これまでの健診で少し血糖が高いといわれたことがある方はもちろん妊娠を考える女性は事前に医療機関で高血糖があるかどうかの評価を受けることをお勧めします。 
そして血糖値が高かった方は糖尿病専門医の診察をうけ、妊娠可能かどうか相談し、血糖が高い場合は血糖値が改善してから妊娠するようにしましょう。
また妊娠後はさらに血糖値が上がりやすく、妊娠期間を通じてお母さんの血糖が高いと赤ちゃんが4000gを超える巨大児となり難産になる可能性が高まるため、場合によっては簡易型血糖測定器を用いて日々の血糖を自分で測定し(妊娠中は医療保険を用いた自己血糖測定が可能です)、必要があれば適切な治療を受ける必要があります。 
この場合はより綿密な治療が必要なため必ず糖尿病専門医の診察を受けてください。
妊娠を考える方は風疹抗体などとともに、血糖値・HbA1cなど糖尿病についてもチェックするようにしましょう!

2015年11月22日(文)院長:荒牧陽

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